スポーツについて考えよう!

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北京パラリンピック雑感2〜冬季大会に象徴されるパラリンピックの課題〜

人類の二大悲劇の中での開催 3月4日から10日間の日程で開催されてきた北京パラリンピックも最終日となりました。 1948年、第二次世界大戦の傷痍軍人のリハビリテーションのための大会としてロンドンで始められた大会が、1960年ローマ大会以降、パラリンピッ…

北京パラリンピック雑感1〜戦争の中でパラリンピック〜

ロシアの暴挙で注目されたパラリンピックの存在 気がつくと北京冬季パラリンピックが始まっていました。世界的な感染症の拡大と戦争という、人類が繰り返し直面して来た脅威の中での開催です。おそらく、この二つの脅威の中で行われる初めての世界的なスポー…

スポーツと戦争〜ウクライナ侵攻を考える〜

■2022年3月1日 追い込まれたIOCのロシアへの制裁 ロシアのウクライナ侵攻は世界に衝撃を与えました。これに対してスポーツ界でもロシアの軍事侵攻に反対して様々な対応が行われていますが、日本時間の3月1日に大きな動きがありました。国際オリンピック委員…

北京オリンピック雑感9(2/22)〜オリンピックとは何か〜

かつてNHKが報じたオリンピック開催の意義 2016年夏、リオデジャネイロ大会直後に、NHKの「おはよう日本」と「時論公論」という二つの番組の中で、同局の刈屋富士雄解説委員が、オリンピック開催の意義として、「国威発揚」を一番にあげ、さらに「国際的な存…

北京オリンピック雑感9(2/20)〜羽生結弦考・アスリートにとっての言葉の力〜

「努力は報われない」羽生結弦 2月14日に北京オリンピックのメディアセンター内で開かれた記者会見で、羽生結弦選手は決勝の前日の練習で、右足首を捻挫し、歩くにも痛いほどで他の大会であれば棄権したであろう、ドクターストップがかかるほどの状態だった…

北京オリンピック雑感8(2/18)〜ドーピングの根底にあるオリンピックの本質〜

1960年から続くオリンピックのドーピングの歴史 オリンピックで発覚したドーピングの中で最も衝撃的だったのは、1988年ソウル大会の陸上短距離のベン・ジョンソン(カナダ)の事件でしょう。100m走決勝で人類初めて9.8秒の壁を突破し、金メダルを獲得したジ…

北京オリンピック雑感7 (2/13)〜疑惑の判定を吹き飛ばした平野歩夢の快挙〜

悔しさをバネに逆転の完璧ルーティンで金メダル 11日、スノーボードの平野歩夢選手が金メダルを手にしました。日本人としてこの競技初の快挙は、この大会で日本として二つ目の金メダルとなりました。 彼にしかできない高難度の技を完璧に決める彼の滑りを、…

北京オリンピック雑感6(2/12)〜ロシア・ワリエワのドーピング疑惑の衝撃〜

ロシア・ワリエワのドーピング疑惑の衝撃 ロシアの女子フィギュアスケートのカミラ・ワリエワ選手のドーピング疑惑が、北京オリンピックに大きな影を落としています。 2月4日から7日まで行われたフィギュアスケートの団体戦は、優勝ロシアオリンピック委員会…

北京オリンピック雑感5(2/10)〜ゼロコロナ体制の中のオリンピック〜

人権をも無視した徹底的な予防が行われるゼロコロナ体制 新型コロナウイルスの発生源だと一般的に考えられている中国は、その後の徹底的な防疫対策で、一時的には世界で最も感染対策に成功した国になったと言えるでしょう。 そんな中国も昨年後半から主流と…

北京オリンピック雑感4(2/9)〜競技における公平が保たれていない〜

不可解な失格が頻発したジャンプ複合団体 競技団体の最も重要な仕事は何か? それはその競技団体の下で行われる競技に参加する全ての競技者が、同一ルールのもと、公平に競技に参加し、公平にジャッジされる環境を作り守ることです。 しかし、時として、そう…