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何があっても全てをやり切るアメリカ男子ゴルフツアー

 10月24日から今日28日まで、アメリカのゴルフ公式戦PGAツアーのZOZOTAWNチャンピンオンシップが千葉県にある習志野カントリークラブで行われていました。

 世界最高峰の選手が揃うPGAツアーが日本で行われるのは初めてのこと、前週の17日から20日までが韓国、日本での開催が終了して31日からは中国で開催されるといういわばアジアラウンドの一環と言えるのでしょう。60人のPGAツアーの言わばレギュラー選手が参加したアジア遠征の目玉は、今年復活を果たしたタイガー・ウッズです。   

 ZOZOTOWNチャンピンオンシップでは、そのタイガーが松山英樹の追い上げと振り切って優勝して、PGAツアー歴代最多優勝記録に並ぶ自身82勝目をあげました。

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 ゴルフの世界最高峰の戦いであるこの大会は、競技とは別のところで日本の多くのスポーツ関係者を驚かせたと思います。それは、あの先週末に関東を襲った豪雨に見舞われながらも、全ての予定をやりきったからです。

 通常男子のゴルフは1日18ホールの試合の木曜日から日曜日までの4日間繰り返して行い、このトータルで競います。(女子の場合は3日ないし4日間)

 この大会は、2日目の金曜日が豪雨となり試合ができませんでした。日本の感覚なら、2日目を中止にして3日間でやろうということになります。実際に国内女子ツアーでは、今月11日から13日から静岡県で行われた大会で、初日金曜が豪雨で中止となり、2日目もコースが回復せず半分の9ホールのみで行われ、最終日だけが18ホールで、結局3日間の予定の半分で勝負が決められました。この状況でも、選手からも関係者からもまたメディアからもそれに疑問を呈するコメントは聞かれていません。

 しかし、ZOZOTOWNチャンピオンシップの主催者であるPGAは大雨の降り続く2日目の午前中の段階で、中止ではなく順延と宣言したそうです。

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 千葉県を見舞った記録的な豪雨により県内に数多くの場所で水害をもたらしました。しかも、この大会の会場である習志野カントリークラブのある印西市は、この豪雨で二つの河川が氾濫し大きな被害を受けている佐倉市のお隣。会場周辺にも記録的な雨が降ったことは間違いありません。千葉県北部の雨が完全に止んだのは金曜日の真夜中でしょう。翌日の開催に向けて未明から復旧作業が行われたそうです。作業がすべて終了したのは午前11時半で、通常朝から15時ごろまでかけて行われる1ラウンドが、そこからスタートされ、日没までにすべての選手がその日の競技を終了することができました。

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 4日目の日曜日は、早朝から2日分、36ホールをプレーすることを目指して進められまたが、残念ながら4日目(4ラウンド)の分のすべての競技を終了させることができず、途中で日没でサスペンデッド。半数以上の選手が、翌日つまり今日28日7時半から前日の続きからプレーすることになりました。しかし、これによって4日間の競技のすべて消化されたことになります。

  雨が引かず距離が大幅に短縮されたホールもありました。日本ではこのホール自体をカットする判断もあるそうですが、PGAの主催者は距離をどんなに短くしても72ホール4ラウンドをやり切ることにこだわったのです。

 コースの復旧にあたったゴルフ場関係者の努力は賞賛に値しますが、何よりも決められた予定をすべてやり切るという主催者の強い意思に驚かされます。もちろん、それに選手たちも納得しているはずです。

 選手やPGAのツアースタッフは午後の飛行機で次の開催地である上海に向かうようです。広いアメリカ本土を転戦し、今回のような海外も含めると年間50試合近くをこなす彼らにとっては、韓国、日本、中国の移動も私たちが思うほど苦ではないのかもしれません。