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サッカーアジアカップカタールを考察

全試合で失点した日本代表

優勝確実とも思われていたサッカー日本代表が、2月3日に行われたベスト8のイラン戦で1−2で敗れ、アジアカップから姿を消しました。

大会前は優勝確実と思われていましたが、実際に大会が始まってからの試合を見ていると、イラン戦の敗戦に多くの人が「やっぱり」と感じた人も多くいるはずです。

それは理由は、明らかに失点が多いからです。

グループリーグで敗れたイラク戦だけでなく、ベスト16のバーレーン戦も含めた4試合全てで失点し、明らかに格下と言っていいベトナムインドネシアにも点を奪われているのです。

ネット等では、その戦犯にゴールキーパーの鈴木ザイオン選手があがっていましたが、もちろん、彼ひとりがその原因ではありません。

2人のセンターバックのポジショニングと連携の悪さ。両サイドバックの試合の流れを読めないポジショニング。安易にサイドに流れてセンターバックと連携が取れていないボランチのポジショニング。

こうやって上げてみると、サッカーで失点の原因となるほとんどの要因が、この大会での日本代表にはあって、その全てがイラン戦でも見ることができました。

イラン戦では、こうしたディフェンスの問題点から発生した状況を、左前で先発した前田選手がほぼ一人でカバーしていましたが、その前田選手を途中交代させてしまえば、さらなる失点するのは当然だったでしょう。後半終了間際まで、1−1のままだったことがむしろ幸運だったと言えます。

そして、今回の結果は、グループリーグでイラクに敗れて、2位通過に回った時点で決まっていたのかもしれません。

イラク戦の敗戦で日本代表は何が変わったのか?

グループリーグの第2戦のイラクで敗れた翌日、全選手、全スタッフを交えて長時間のミーティングが行われたことが報道されています。

そこでは、具体的に何が話し合われたかは伝わってきていません。

インドネシア戦で、前の試合と比較して変わったことと言えば、まずメンバーです。先発メンバーを8人を入れ替えました。

森保監督が具体的にどのような狙いで、多くのメンバーを代えたのかはわかりませんが、インドネシアバーレーンに連勝した姿には、特に攻撃に勢いが戻ったように見えました。

しかし、この2試合でも失点は逃れることはできません。

3日のイラン戦では何人かのメンバーが先発に戻っています。

イラク戦で後半出場した冨安選手とイラク戦先発の板倉選手がセンターバック、右サイドバックには前熊選手が入った一方では、左サイドにはイラク戦先発の伊藤選手。

攻撃では、堂安選手、上田選手が先発していますが、もし、伊東選手が出場できる状態だったら、そのどちらがベンチスタートだった可能性が高いでしょう。

一方、バーレーン戦で怪我のために途中で退いた旗手選手に代わりに、再び守田選手が先発しています、

ですから、イラン戦のメンバーで、イラク戦前と変化があったのは、左前に起用された前田選手と右サイドバックの毎熊選手のみと言えるかもしれません。

もう一つ、変わったことは、攻撃の選手のポジショニングでしょう。

久保のポジションの自由度を上げて、彼の動きに合わせるように、他の選手もポジションを変えています。

それが一番はっきりと表れたのが、イラン戦の前半でした。この試合の久保は、完全にフリーな状態で、プレーしていたように見えました。

イラク戦では、前線の選手がほぼ固定されてプレーしていたのとは大きな違いです。

イラク戦後のインタビューで、記者にポジションチェンジについて尋ねられた森保監督は、「なんでも自由したらいいと言うものではない」と語気荒げたと伝わっていますから、これがイラク戦の次の日に行われたミーティングの結果の一つかもしれません。

もう一つの変化として挙げられるのが、ベンチのコーチでの様子です。

イラク戦での映像では、森保監督の隣にいる名波コーチは、ピンチにも苦々しい顔をしてじっと座ったままでしたが、イラン戦では立ち上げって斉藤コーチと大声で話をしている様子が何度も映し出されていました。

この辺りも、イラク戦の後に話し合いがされた結果なのかもしれません。

イラク戦の敗戦でも変わらなかったこと

一方で、変わらなかったこともあります。

その一つがサイドバックの高い位置でのポジショニングです。

現代サッカーでは、両サイドバックの攻撃参加は常識です。

両チームのサイドのせめぎ合いが、試合の流れを決めると言ってもいいほど重要で、サイドバック(3バックの場合はアウトサイドの中盤)が高い位置でプレーして、相手のサイドバックの攻撃参加を抑え込めれば、試合を優位に進めることができ、決定的なチャンスにも直結します。

しかし、高い位置をキープしようとして、その背後で相手にボールコントロールされると、決定的なピンチを招くことが起こります。いわゆる裏を取られると言うプレーです。

イラン戦の後半ではそうしたプレーを何度見たでしょうか。

イラクとイラン、さらにバーレーンも、日本のセンターバックをサイドに引き出すことを狙っていました。さらにイラン戦の後半は、センターバックの後ろにロングボールを入れてきました。

この状況で、高い位置にいるサイドバックの戻り遅れれば、当然、相手の術中にハマることになります。

サイドバックのポジションは、戦況を見て、変化させるべきポジショニングです。イラク戦のようにロングボールを効果的に使う相手には、普段はセンターバックと同じラインにいて、センターバックをサポートして、ここぞというタイミングでオーバーラップを狙うべきだったはずです。

少なくともイラク戦でも、イラン戦でも、両サイドバックが、センターバックよりも極端に高い位置をキープしたことは、守備の強度を下げただけの結果になっています。

この辺りは、ベンチからの指示だったことは間違いありません。

もう一つ変わらなかったことは、攻撃をゴールキーパーから繋いでビルドアップすることです。

この大会で、鈴木選手からのボールをゴールキックロングフィードで、センターラインより先に蹴り出したボールを何度見たでしょう。あったとすれば、激しくプレッシャーを受けたイラン戦の終盤ぐらいです。

相手チームは、日本が最後列から繋いでくるのがわかっているので、前線からプレッシャーことも容易です。

このため、何度もゴールキーパーに戻さなければならないシーンもありました。鈴木選手は落ち着いてボールを捌くことができるので、最終ラインでボールを奪われることはありませんでした。

もしかすると、森保監督が鈴木選手を気に入っている最大のポイントは、この足元が効くことからもしれません。

しかし、イランはフィードした落下点も狙っていました。

イランの最初の得点は、イランのプレッシャーを受けたディフェンダーからのバックパスを、鈴木選手が長めのフィードをしたボールを相手に拾われたところが起点となっています。

逆に、この最後列からのビルドアップで、日本の決定機に結び付けられたシーンが、この大会で何度あったでしょうか。

確かに、ロングボールを蹴ってしまうと、相手ボールになってしまう確率が高いのは事実です。特に、イランのような上背のある選手が多い相手では、その確率は高まります。

だからと言って、最後列から前線にボールを運ぶのに、イラン戦のように苦労していては意味がありません。

イラン戦では、前半は板倉選手が比較的フリーになるシーンがあり、彼の前線へのフィードや自身での持ち上がりを見ることができましたが、逆に他の3人のディフェンダーはマークに付かれて、攻撃の起点になれずにいました、

その板倉選手が、後半は厳しくプレッシャーを受けると、ボランチも含めてディフェンスの苦し紛れのパスが続きます。そうした中で、失点シーンが生まれたのです。

ボールをキープできたところで、相手のプレッシャーに翻弄された状況では、デザインした攻撃の起点にできる可能性は少ないはずです。

また、ここでも、サイドバックが高い位置にいることが、マイナスになります。

ゴールキーパーセンターバックにボールがある時に、サイドバックが高い位置に上がってしまうと、パスの距離が長くなる反面、相手DFとの距離が近くなり、角度的にもボールの出しどころとして使えません。

そうすると、ボランチや攻撃の選手がボールをもらいに戻ってこなければなりません。その場合は、後ろ向きのプレーを余儀なくされ、パスの精度が下がり、ボールを奪われることにも繋がります。

さらに言えば、シュート後に日本がロングボールを蹴ってこないとわかっていると、カウンターのリスクがありませんから、相手チームは人数をかけて攻撃することができます。

これが、イラク戦、イラン戦だけでなく、ベトナム戦、バーレーン戦でも、日本のゴール前に相手の選手がたくさんいた理由です。

私たちが見たのは日本代表のJリーグ化した姿か?

監督や選手たちのインタビューから推測するに、最終ラインからのビルドアップは、選手たちも含めて日本代表の目指しているサッカーのようです。

サッカーは、相手よりも多く点を取るゲームです。いかに効率よく、シュートチャンスを作り、精度の高いシュートを放つかが勝負です。

そして、そこにスポーツとしての最大の魅力があるはずです。

日本代表のように、ボールを失わないことを優先し、時間をかけてシュートチャンスを窺うサッカーも選択肢の一つですが、少なくともワールドカップやヨーロッパの強豪リーグではトレンドではありません。

同じようなサッカーが主流なのが、Jリーグではないでしょうか。

目的は違うかもしれませんが、ポゼッションを高めて、ボールを失わないように時間をかけてゴールを狙うスタイルは同じです。

昨年、一昨年とヨーロッパリーグからJリーグに復帰した選手や引退した選手が、Jリーグのサッカーとヨーロッパのサッカーとの違いを指摘した点の一つもここにありました。

Jリーグしか知らない監督が長期に指揮をとると、日本代表でもJリーグのようになってしまうのか。

今、日本代表の選手の多くがヨーロッパでプレーしていることを考えると、やはり、ボールを失うようなチャレンジを嫌う、日本人に植え付けられたDNAによるものかもしれません。

求められていたのは、コンセプトではなく具体的な指示では?

帰国した守田選手がインタビューが注目されています

「もっとアドバイスとか、外からこうした方がいいとか、チームとしてこういうことを徹底しようとかが欲しい。」

苦悩を吐露した守田英正の悲痛な叫び「考えすぎてパンク」「もっといろいろ提示してほしい」 | ゲキサカ

この守田選手の言葉に対して、森保監督は、「選手がまだうまく局面を打開できるだけのコンセプトの共有はできてなかったところはあったのかなと」とインタビューに答えています。

森保監督 イラン戦後のMF守田の“叫び”に「共有できてなかったところはあったのかなと」― スポニチ Sponichi Annex サッカー

守田が求めていたのは、試合前の共有すべきコンセプトだったのでしょうか。

この記事に書かれた「局面を打開できるだけのコンセプト」という森保監督の言葉も抽象的で意味不明です。無限大に局面があるサッカーという競技で、一体どれだけのコンセプトを共有すれば良いのでしょうか。

森保監督のコンセプトという言葉をあえて使えば、おそらく、事前に指示されたコンセプトでは対応できないことがピッチ上で起きたが、事前に与えられたコンセプトが邪魔で対応できない。だから対応できるコンセプトをベンチから指示して欲しかったということだろうと思われます。

簡単に言えば、試合中ピッチ上の選手から必要された指示を出せなかったということです。それを、森保監督は言葉を選んで誤魔化したようにしか思えません。

イラン戦では、後半、相手のマークの変更によって、ディフェンスからのビルドアップすらままならなくなったところで、ベンチから有効な解決策を指示して欲しかったということでしょう。

スタンド上部から見ていた分析担当は、そうした提案をベンチに送っていなかったのでしょうか。

グループリーグのイラク戦の後、元日本代表の田中マルクス闘莉王氏のコメントとして次のような記事が上がっています。

「名波(浩)コーチ、分かっているでしょ、あなたは。何のために、あなたたちはタブレットを見ているんだ! 人いるでしょ、上に。全体像を見られるコーチが、絶対にいるはず。ちゃんとイヤホンつけているんでしょ」

「試合見ているか?」闘莉王がイラク戦の森保監督に最低評価!名波コーチらにも厳しい指摘「冨安は入らなくていい。問題は守備じゃない」【アジア杯】 | サッカーダイジェストWeb

守田選手の言葉は、まさにこういうことを指しているはずです。

ピッチ上の選手では解決できないことを、スタッフで解決の方法を検討して、ベンチから指示で解決するのが、現代サッカーです。

それとも、森保監督は、やはり、試合前にコンセプトが共有できないこと、つまり想定外には対応ができないということでしょうか。

そう言えば、イラン戦後半の、久保選手、前田選手の交代は、試合前に予定していた交代だったはずです。目の前に起こっている試合に対応したものではなかったように思えます。

森保監督の戦術とコンセプト

カタールワールドカップまでの予選や親善試合の森保監督の采配は、ほとんど無色透明の印象でした。

少なくとも外から見ていると、戦術的に具体的なスタイルや全体的なコンセプトはなく、基本、実績のある選手と調子の良い選手を並べて、彼らに自由にサッカーをやらせて、結果につなげていきました。

ワールドカップでは、一転、相手の細かく分析した結果に、勝利へのプランを明確にして、そのプランに当てはまる選手を、パズルのようにはめ込んでスペイン戦、ドイツ戦の勝利に繋げました。

但し、相手のサッカーを潰す戦術は、自分の主体とした戦術ではありませんから、日本代表としてのサッカーのビジョン、コンセプトはここでも示されていません。

グループリーグ唯一、格下と言ってもいいコスタリカに負けた試合は、今思えば、日本代表として目指すサッカーが存在していないか、共有できていないことを示した試合だったように思えます。

ワールドカップ以降も、強豪を含めた親善試合やワールドカップ予選で、連勝を続けてきましたが、次のワールドカップを見据えて、森保監督が目指すサッカーが具体的に見えた試合はなかったと思います。

目指すサッカーが更にわかりづらくなったのが、このアジアカップです。

唯一見えてきたのは、前述した最終ラインから繋ぐサッカーです。このサッカーの先に何があるのか筆者にはわかりません。

イランのサッカーと比べると良くわかると思います。

彼らは自分たちの目指すをサッカーを実現して、勝ち切る術を、監督も選手も知っています。優勝候補筆頭の日本相手に、出場停止でエースストライカーが不在でも、彼らのやろうとサッカーに揺らぎはありませんでした。

確かに日本対策としてロングボールを多用してきましたが、だからと言って自分たちのサッカーを捨てて勝利にこだわったわけではなさそうです。

長身と高いフィジカルを活かした力強いサッカーは、まだ日本がワールドカップに出場できなかった時代から、日本を苦しめてきた中東のサッカーです。

最初から日本の長所を消すのではなく、自分たちのストロングポイントを最大限に活かすことで、結果的に日本の長所を消すことに成功しています。

中東の変化に日本は付いていけるのか?

日本代表の敗退で、日本でのアジアカップへの興味はすっかり削がれたと思いますが、その後も大会は進んでいます。

準決勝では、韓国がヨルダンに0−2で破れています。もう一つの準決勝は、日本を破ったイランが、開催国カタールに2−3で破れています。

韓国とヨルダンはグループリーグでも対戦。この時はアディショナルタイムオウンゴールで韓国が辛くも追いつき2−2で終わっていますが、準決勝ではヨルダンが後半2点を決めて韓国を無得点に抑えて快勝しています。しかし、どちらが勝ってもおかしくない試合でした。ヨルダンのスピードに乗ったカウンターからの意表をついたタイミングのシュートが、面白いように韓国ゴールに吸い込まれています。

ヨルダンの思い切りの良さと決定力が、勝敗を分けた試合だったのではないでしょうか。

ワールドカップの出場経験はありませんが、アジアカップではこの大会を含めて4大会連続で決勝トーナメント進出。地下資源に恵まれず経済的にも厳しく、治安の厳しい国々囲まれた小国のヨルダンが、アジアの王者を目指します。

イラン対カタール戦では、序盤にイランが先制しましたが、前半のうちにカタールが逆転して1−2でハーフタイムに。後半、一旦はイランがPKで追いつきますが、82分にカタールオフサイドと判定されてもおかしくないプレーで決勝ゴール。その後のイランの猛攻を凌いで逃げ切っています。

試合全体として、イランが支配し、カタール陣内にボールがある時間帯が長い印象の試合でしたが、地元のカタールに運があった試合です。この試合もスピード感のある、エキサイティングなゲームでした。

母国開催のカタールは、2019年大会に続く連覇を狙います。期待された2年前のワールドカップでは、グループリーグ3連敗に終わっているだけに、就任わずか1ヶ月余のスペイン人指導者マルケス・ロペス監督の指揮の下、この大会で雪辱を期すことになります。

今回の大会を通して、明確になったことは、日本に勝利したイラン、イラクだけでなく、中東の国々が急速にレベルアップしていることです。

カタールイラクは、スペイン人監督の緻密な戦術を実現できるほどに、スキルでもフィジカルでも向上してます。

元々アジア屈指のレベルのイランは、フィジカルとスピードを生かしたストロングポイントにさらに磨きをかけ、守備の精度もレベルアップして、日本相手にも主導権をとって試合を進めました。

日本のサッカー関係者やファンは、もしかすると韓国も、アジアのライバルは、日本、韓国、オーストラリアだと思いがちですが、事実は違うようです。

そもそも、かつて日本の前に立ちはだかってきたのは、ドーハの悲劇を振り返るまでもなく、中東の国々でした。

アジアカップの結果を見ると、日本、韓国や中国が上位を占めてきたのは、2000年以降です。

2011年以降は、中国に代わってオーストラリアの名前が登場します。

特に直近の10年間、この3カ国に後塵を配してきた印象だった中東各国ですが、今回の大会を見る限り復活を遂げてきたようです。

近年の中東のレベルアップとサッカー人気は、昨年ネイマールを獲得したアル・ヒラルサウジアラビア)のように潤沢なオイルマネーを使って、ヨーロッパや南米から選手や指導者を招聘している国内リーグの存在が見逃せないでしょう。ヨーロッパの強豪クラブへの投資も盛んに行われていますから、そうしたチームからのフィードバックもあるのかもしれません。

2年前にワールドカップカタールで開催された影響が、中東各国で具体的に表れるのはもう少し先のはずです。

ヨーロッパに地理的に近く、古の昔から交易を続けてきた彼らの意識は常に西を向いていますから、文化的に閉鎖的な日本のようなガラパゴス化は考えられず、各チームがヨーロッパのトップチームを目標にして強化をはかるでしょう。ACLでも中東のチームに歯が立たない日がまたやってくるかもしれません。

もう一つ、筆者が驚いたのは、例えば、日本代表の試合では、イラン戦でもイラク戦でも、多くの自国ファンらしいユニホームを着た人たちでスタンドが埋め尽くされたことです。

特に、イランはカタールなど親米の国々とは政治的にも宗教的にも敵対している国です。現在もカタールにある米軍基地からイランの施設への攻撃が行われています。

にも関わらず、画面上で見ての話なので確かなことは言えませんが、カタール対イランの準決勝でも、多くのイランの人が、カタールの人と混じって応援しているようでした。

もしかすると、日本戦などではカタールの人たちも一緒にイラン代表を応援していたのかもしれません。

更に、その中に、多くの女性の姿があったことも驚きです。

かつて、サッカーは男性のスポーツでした。と同時にイスラムの国では、女性が人前に出るようなことも禁止されていたはずです。

以前も、サウジアラビアなど、イスラムの戒律の厳しくない国では、スタンドに女性の姿はありましたが、民族衣装を着て女性だけで固まって観戦していました。

それが、この大会では男性に混じって自国のユニホームを着て応援しているのです。

このようにして、代表チームの強化だけなく、環境的にも進化を続けている中東のサッカーに、日本が置いていかれる日もそう遠くないかもしれません。