スポーツについて考えよう!

日々、発信されるスポーツの情報について考えよう

2022-01-01から1年間の記事一覧

ワールドカップ雑感〜12月19日決勝戦〜

決勝戦を見て最大の驚きはゲームの質の高さ かつては、ワールドカップは過密日程のため、選手たちのパフォーマンスは大会終盤に向けて落ちるの常だと言われていました。だから、質の高い試合を見ることができるので、決勝トーナメント1回戦から良くても準々…

ワールドカップ雑感 〜12月9日・日本ークロアチア戦〜

PK戦で敗れた日本代表には何が足りなかったのか? 通常の夏開催ではなく、ヨーロッパサッカーのシーズン中の12月に行われている影響で、いつもより過密日程で行われている今大会は、あっという間に日程が進み、モロッコとクロアチアの3位決定戦、フランスと…

ワールドカップ雑感 〜12月2日日本ースペイン戦〜

日本代表の勝利は森保監督のゲームプランの勝利 日本代表が優勝候補のひとつ、スペインに2−1で逆転勝利し決勝トーナメント進出を決めました。 周囲が予想しなかった3バックで試合をスタートし、後半途中から事実上の5バックにするなど、今までやってこな…

ワールドカップ雑感 〜11月27日日本ーコスタリカ戦〜

コスタリカ戦の敗戦はまさかの敗戦だったのか? 「あのドイツに勝てたんだから、コスタリカに負けるわけがない」 試合前、日本の多くの人がそう思っていたはずです。 そうした世の中の思いを象徴していたのが、この試合を地上波で中継をしたテレビ朝日の3人…

ワールドカップ雑記 〜11月23日・日本vsドイツ戦〜

日本サッカーが憧憬するドイツに勝利 11月23日、ワールドカップ本番で、日本代表がドイツ代表に勝利しました。 60歳以上の往年のサッカーファン、プレーヤーにとってその勝利は「ワールドカップ4度優勝の強豪国に」という枕詞では、収まりきらない特別なも…

なぜ、私たちは大声をあげて応援してはいけないのか?

浦和レッズへの処分にサポーターが横断幕で抗議 7月26日、Jリーグは7月5日の臨時実行委員会後に野々村芳和チェアマンが公表した通り、浦和レッズに対して正式に2000万円の罰金を科しました。 主な理由は、浦和レッズのサポーターの一部が、試合会場などで新…

スポーツとメディアの役割

羽生結弦は数字をもっていないのか 7月23日土曜日の19時〜21時のテレビ朝日で放送されたフィギュアスケートの五輪金メダリスト羽生結弦選手の特番が、同じ時間帯で放送された番組の中で、世帯視聴率、個人視聴率で最下位だったという記事がアップされました…

withコロナ時代と日本のスポーツ

日本選手団だけに発生したクラスター 日本時間の7月16日から25日まで開催されていた世界陸上では、開幕翌日に17日に驚きのニュースがもたらされました。 男子マラソン日本代表で日本記録保持者の鈴木健吾選手とマラソン女子代表の一山麻緒選手が、選手村で行…

浦和レッズへの制裁と野々村体制のJリーグの転換

浦和レッズサポーターの声出し応援への制裁 浦和レッズのサポーターによる「声出し応援」への制裁が、7月5日のJリーグ臨時実行委員会の終了後、野々村芳和チェアマンから発表されたと報道されました。 正式には裁定委員会に諮問の結果が出てからになりますが…

学校スポーツの権威主義とサッカー部暴行事件

秀岳館高校サッカー部で起こったことは 熊本県の私立秀岳館高校サッカー部で起こっていた、コーチによる暴行と生徒の謝罪の動画の事件は、5月17日に段原一詞サッカー部監督が提出した退職願を学校が受理し、また同日暴行したコーチを学校が懲戒免職にしたこ…

オリンピックの価値:スポーツとSDGs

世界の環境対策とSDGs ヨーロッパを中心に、世界の先進国の多くは温暖化対策などの環境保護を重要視し、その動きは今や世界的なトレンドになりつつあります。 世界で最もエネルギーを消費し、二酸化炭素を排出しているアメリカは、トランプ政権で経済優先の…

高校野球をめぐる2本の記事

高校野球のあり方を問う 4月5日、高校野球について気になる記事が2本アップされました。いずれもyahooのトップページにもリンクされた記事です。 いずれの記事も、週刊誌系やゴシップ系のサイトでなく、ひとつは伝統のある総合スポーツ誌のウェブ版であり、…

ウクライナ侵攻とスポーツ

進まない世界のロシア包囲網 ロシアのウクライナへの軍事侵攻が始まって間も無く1ヶ月が経とうとしています。世界中の停戦、沈静化の願いを裏切って、ロシア軍の侵攻は止まらず、日に日に残虐さが増しています。 その間、アメリカ、欧州の自由主義国を中心…

北京パラリンピック雑感4〜パラスポーツにこそ多様な目的意識を〜

改めてパラリンピックとはどんな大会なのか? 北京パラリンピックが始まるしばらく前、毎日新聞のサイトに次のような記事がアップされました。 北京2022:「知的障害者もパラへ」 除外から20年超 「共生」願う選手 | 毎日新聞 毎日新聞の紙面にも掲載さ…

北京パラリンピック雑感3〜驚愕の閉会式〜

閉会式は1時間足らずで終わった 3月13日夜、北京パラリンピックの閉会式が行われました。それは驚愕とも言えるほどの驚きに満ちたものでした。 驚きの一つ目は、その長さです。総合チャンネルとEテレで21時から中継したNHKはその僅か55分後に中継を終了して…

北京パラリンピック雑感2〜冬季大会に象徴されるパラリンピックの課題〜

人類の二大悲劇の中での開催 3月4日から10日間の日程で開催されてきた北京パラリンピックも最終日となりました。 1948年、第二次世界大戦の傷痍軍人のリハビリテーションのための大会としてロンドンで始められた大会が、1960年ローマ大会以降、パラリンピッ…

北京パラリンピック雑感1〜戦争の中でパラリンピック〜

ロシアの暴挙で注目されたパラリンピックの存在 気がつくと北京冬季パラリンピックが始まっていました。世界的な感染症の拡大と戦争という、人類が繰り返し直面して来た脅威の中での開催です。おそらく、この二つの脅威の中で行われる初めての世界的なスポー…

スポーツと戦争〜ウクライナ侵攻を考える〜

■2022年3月1日 追い込まれたIOCのロシアへの制裁 ロシアのウクライナ侵攻は世界に衝撃を与えました。これに対してスポーツ界でもロシアの軍事侵攻に反対して様々な対応が行われていますが、日本時間の3月1日に大きな動きがありました。国際オリンピック委員…

北京オリンピック雑感9(2/22)〜オリンピックとは何か〜

かつてNHKが報じたオリンピック開催の意義 2016年夏、リオデジャネイロ大会直後に、NHKの「おはよう日本」と「時論公論」という二つの番組の中で、同局の刈屋富士雄解説委員が、オリンピック開催の意義として、「国威発揚」を一番にあげ、さらに「国際的な存…

北京オリンピック雑感9(2/20)〜羽生結弦考・アスリートにとっての言葉の力〜

「努力は報われない」羽生結弦 2月14日に北京オリンピックのメディアセンター内で開かれた記者会見で、羽生結弦選手は決勝の前日の練習で、右足首を捻挫し、歩くにも痛いほどで他の大会であれば棄権したであろう、ドクターストップがかかるほどの状態だった…

北京オリンピック雑感8(2/18)〜ドーピングの根底にあるオリンピックの本質〜

1960年から続くオリンピックのドーピングの歴史 オリンピックで発覚したドーピングの中で最も衝撃的だったのは、1988年ソウル大会の陸上短距離のベン・ジョンソン(カナダ)の事件でしょう。100m走決勝で人類初めて9.8秒の壁を突破し、金メダルを獲得したジ…

北京オリンピック雑感7 (2/13)〜疑惑の判定を吹き飛ばした平野歩夢の快挙〜

悔しさをバネに逆転の完璧ルーティンで金メダル 11日、スノーボードの平野歩夢選手が金メダルを手にしました。日本人としてこの競技初の快挙は、この大会で日本として二つ目の金メダルとなりました。 彼にしかできない高難度の技を完璧に決める彼の滑りを、…

北京オリンピック雑感6(2/12)〜ロシア・ワリエワのドーピング疑惑の衝撃〜

ロシア・ワリエワのドーピング疑惑の衝撃 ロシアの女子フィギュアスケートのカミラ・ワリエワ選手のドーピング疑惑が、北京オリンピックに大きな影を落としています。 2月4日から7日まで行われたフィギュアスケートの団体戦は、優勝ロシアオリンピック委員会…

北京オリンピック雑感5(2/10)〜ゼロコロナ体制の中のオリンピック〜

人権をも無視した徹底的な予防が行われるゼロコロナ体制 新型コロナウイルスの発生源だと一般的に考えられている中国は、その後の徹底的な防疫対策で、一時的には世界で最も感染対策に成功した国になったと言えるでしょう。 そんな中国も昨年後半から主流と…

北京オリンピック雑感4(2/9)〜競技における公平が保たれていない〜

不可解な失格が頻発したジャンプ複合団体 競技団体の最も重要な仕事は何か? それはその競技団体の下で行われる競技に参加する全ての競技者が、同一ルールのもと、公平に競技に参加し、公平にジャッジされる環境を作り守ることです。 しかし、時として、そう…

北京オリンピック雑感3(2/8)〜新競技が教えてくれたスポーツで大切なこと〜

歓喜の輪の中にいなかった日本人選手たちスノーボード女子スロープスタイル 土曜と日曜は長く家にいたお陰で、北京オリンピックの多くの競技をテレビ観戦することができました。 日曜夜の小林陵侑選手のジャンプノーマルヒルの金メダルを見ることできました…

北京オリンピック雑感2(2/6)〜改めて問われるオリンピックの価値〜

盛り上がりに欠ける北京五輪 2月5日夜に開会式が行われた北京冬季オリンピックは、先立つ3日からカーリングやモーグルなどの予選や女子アイスホッケーのリーグ戦などが始まり、6日には日本選手の金メダルの期待があった男子モーグルや女子ジャンプ等では、決…

北京冬季オリンピック雑感1(2/5)〜そして北京冬季オリンピックが始まった〜

「いつの間にか北京冬季オリンピックが始まっていた」 日本に住む多くの人がそういう印象を持っているのではないでしょうか。 2月3日にはカーリング、4日にはモーグルとアイスホッケー女子の予選、5日からのフィグアスケート団体の予選などが始まっています…