スポーツについて考えよう!

日々、発信されるスポーツの情報について考えよう

オリンピック

オリンピックの価値:スポーツとSDGs

世界の環境対策とSDGs ヨーロッパを中心に、世界の先進国の多くは温暖化対策などの環境保護を重要視し、その動きは今や世界的なトレンドになりつつあります。 世界で最もエネルギーを消費し、二酸化炭素を排出しているアメリカは、トランプ政権で経済優先の…

ウクライナ侵攻とスポーツ

進まない世界のロシア包囲網 ロシアのウクライナへの軍事侵攻が始まって間も無く1ヶ月が経とうとしています。世界中の停戦、沈静化の願いを裏切って、ロシア軍の侵攻は止まらず、日に日に残虐さが増しています。 その間、アメリカ、欧州の自由主義国を中心…

北京パラリンピック雑感4〜パラスポーツにこそ多様な目的意識を〜

改めてパラリンピックとはどんな大会なのか? 北京パラリンピックが始まるしばらく前、毎日新聞のサイトに次のような記事がアップされました。 北京2022:「知的障害者もパラへ」 除外から20年超 「共生」願う選手 | 毎日新聞 毎日新聞の紙面にも掲載さ…

北京パラリンピック雑感3〜驚愕の閉会式〜

閉会式は1時間足らずで終わった 3月13日夜、北京パラリンピックの閉会式が行われました。それは驚愕とも言えるほどの驚きに満ちたものでした。 驚きの一つ目は、その長さです。総合チャンネルとEテレで21時から中継したNHKはその僅か55分後に中継を終了して…

北京パラリンピック雑感2〜冬季大会に象徴されるパラリンピックの課題〜

人類の二大悲劇の中での開催 3月4日から10日間の日程で開催されてきた北京パラリンピックも最終日となりました。 1948年、第二次世界大戦の傷痍軍人のリハビリテーションのための大会としてロンドンで始められた大会が、1960年ローマ大会以降、パラリンピッ…

北京パラリンピック雑感1〜戦争の中でパラリンピック〜

ロシアの暴挙で注目されたパラリンピックの存在 気がつくと北京冬季パラリンピックが始まっていました。世界的な感染症の拡大と戦争という、人類が繰り返し直面して来た脅威の中での開催です。おそらく、この二つの脅威の中で行われる初めての世界的なスポー…

スポーツと戦争〜ウクライナ侵攻を考える〜

■2022年3月1日 追い込まれたIOCのロシアへの制裁 ロシアのウクライナ侵攻は世界に衝撃を与えました。これに対してスポーツ界でもロシアの軍事侵攻に反対して様々な対応が行われていますが、日本時間の3月1日に大きな動きがありました。国際オリンピック委員…

北京オリンピック雑感9(2/22)〜オリンピックとは何か〜

かつてNHKが報じたオリンピック開催の意義 2016年夏、リオデジャネイロ大会直後に、NHKの「おはよう日本」と「時論公論」という二つの番組の中で、同局の刈屋富士雄解説委員が、オリンピック開催の意義として、「国威発揚」を一番にあげ、さらに「国際的な存…

北京オリンピック雑感9(2/20)〜羽生結弦考・アスリートにとっての言葉の力〜

「努力は報われない」羽生結弦 2月14日に北京オリンピックのメディアセンター内で開かれた記者会見で、羽生結弦選手は決勝の前日の練習で、右足首を捻挫し、歩くにも痛いほどで他の大会であれば棄権したであろう、ドクターストップがかかるほどの状態だった…

北京オリンピック雑感8(2/18)〜ドーピングの根底にあるオリンピックの本質〜

1960年から続くオリンピックのドーピングの歴史 オリンピックで発覚したドーピングの中で最も衝撃的だったのは、1988年ソウル大会の陸上短距離のベン・ジョンソン(カナダ)の事件でしょう。100m走決勝で人類初めて9.8秒の壁を突破し、金メダルを獲得したジ…

北京オリンピック雑感7 (2/13)〜疑惑の判定を吹き飛ばした平野歩夢の快挙〜

悔しさをバネに逆転の完璧ルーティンで金メダル 11日、スノーボードの平野歩夢選手が金メダルを手にしました。日本人としてこの競技初の快挙は、この大会で日本として二つ目の金メダルとなりました。 彼にしかできない高難度の技を完璧に決める彼の滑りを、…

北京オリンピック雑感6(2/12)〜ロシア・ワリエワのドーピング疑惑の衝撃〜

ロシア・ワリエワのドーピング疑惑の衝撃 ロシアの女子フィギュアスケートのカミラ・ワリエワ選手のドーピング疑惑が、北京オリンピックに大きな影を落としています。 2月4日から7日まで行われたフィギュアスケートの団体戦は、優勝ロシアオリンピック委員会…

北京オリンピック雑感5(2/10)〜ゼロコロナ体制の中のオリンピック〜

人権をも無視した徹底的な予防が行われるゼロコロナ体制 新型コロナウイルスの発生源だと一般的に考えられている中国は、その後の徹底的な防疫対策で、一時的には世界で最も感染対策に成功した国になったと言えるでしょう。 そんな中国も昨年後半から主流と…

北京オリンピック雑感4(2/9)〜競技における公平が保たれていない〜

不可解な失格が頻発したジャンプ複合団体 競技団体の最も重要な仕事は何か? それはその競技団体の下で行われる競技に参加する全ての競技者が、同一ルールのもと、公平に競技に参加し、公平にジャッジされる環境を作り守ることです。 しかし、時として、そう…

北京オリンピック雑感3(2/8)〜新競技が教えてくれたスポーツで大切なこと〜

歓喜の輪の中にいなかった日本人選手たちスノーボード女子スロープスタイル 土曜と日曜は長く家にいたお陰で、北京オリンピックの多くの競技をテレビ観戦することができました。 日曜夜の小林陵侑選手のジャンプノーマルヒルの金メダルを見ることできました…

北京オリンピック雑感2(2/6)〜改めて問われるオリンピックの価値〜

盛り上がりに欠ける北京五輪 2月5日夜に開会式が行われた北京冬季オリンピックは、先立つ3日からカーリングやモーグルなどの予選や女子アイスホッケーのリーグ戦などが始まり、6日には日本選手の金メダルの期待があった男子モーグルや女子ジャンプ等では、決…

北京冬季オリンピック雑感1(2/5)〜そして北京冬季オリンピックが始まった〜

「いつの間にか北京冬季オリンピックが始まっていた」 日本に住む多くの人がそういう印象を持っているのではないでしょうか。 2月3日にはカーリング、4日にはモーグルとアイスホッケー女子の予選、5日からのフィグアスケート団体の予選などが始まっています…

東京オリンピック雑感 〜パラリンピックの価値〜

東京パラリンピックに至る道 9月5日夜、東京国立競技場では、パラリンピックの閉会式が行われて、2006年の2016年オリンピック招致から始まった15年にわたる壮大なプロジェクトが一応の終了を見ました。 2016年大会招致の失敗では、関係者の中でその要因のひ…

東京オリンピック雑感〜新型コロナと感染対策〜

世界的に深刻さを増す新型コロナ感染再拡大 9月から始まるサッカーの2022年カタールワールドカップのアジア最終予選では、本来中国国内で開催されるはずの中国ホームの日本戦が、カタールのドーハで開催されることが決まっています。新型コロナウイルスの感…

東京オリンピック雑感 〜メディア編〜

新型コロナウイルスの感染拡大により、オリンピック史上初めて、多くの競技が無観客で開催されることになり、選手の活躍は他国で開催されたオリンピック同様にテレビなどの映像を通して観戦することになりました。筆者もせっかくの機会なので、できるだけ多…

東京オリンピック雑感 〜競技編〜

秀逸の結果のひとつは女子バスケの準優勝 今回の東京オリンピックで、史上最多の金メダルを獲得した日本は、多くの選手やチームの活躍を見ることができましたが、一番のセンセーショナルな結果は、女子バスケットボールの準優勝ではないでしょうか。全てのメ…

東京オリンピックは安全安心から経済優先の転換装置になるはずだったのでは?

無観客開催と有観客開催の判断に違いはどこにあるのか 7月9日、東京オリンピックの東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の無観客での開催が発表されました。前日に決定された東京都の緊急事態宣言の発布と3県のまん延防止等重点阻止の延長の決定を受けてのもの…

東京オリンピック、パラリンピックのリスクと意義を考える

いよいよ、7月23日に開幕する東京オリンピック、パラリンピックまで1ヶ月を切りました。 新型コロナウイルスの感染が終息しない中での開催に、多くの世論調査で中止や再延期を望む声が過半数を超え、国内外の専門家からは中止を求める多くの声が発せられる…

空手道日本代表・植草歩による恩師のパワハラ告発を考える

植草選手の恩師香川氏告発の経緯 3月24日、空手組手女子のオリンピック候補の植草歩選手が、帝京大学時代からの恩師で、卒業後も帝京大学を拠点に活動し指導を受けている全日本空手道連盟強化委員長(前)の香川政男氏から、練習中に竹刀を使った指導によっ…

なぜ人々はアスリートにオリンピック辞退を求めるのか?

アスリートに行動を求めるメッセージは否か? 池江璃花子選手をはじめオリンピックに出場が予定されているアスリートをターゲットに、オリンピックの出場辞退を求める声がSNSを中心にあがっていて、SNSを通してアスリートたちに直接メッセージを送る人もいる…

池江璃花子選手が突きつけたスポーツは才能だという現実

白血病発病からわずか2年余りで五輪出場を内定した池江璃花子選手 4月4日、東京オリンピックの出場権をかけた水泳の日本選手権の女子バタフライ100mの決勝で、白血病からの復活を目指した池江璃花子選手が優勝。記録は個人としての派遣記録には及ばなかった…

「聖火リレーはナチスの人種差別政策のプロパガンダ」というNBCの記事

東京オリンピックの聖火リレーが始まった 3月25日、東京オリンピックの聖火リレーが、東日本大震災で福島第一原発の対応の最前線基地として使用されていたJヴィレッジから、1年遅れでスタートしました。 映像から伝わるタレントや元アスリートの表情を見てい…

大坂なおみと日本の子供とジェンダーギャップ

大坂なおみのジェンダーギャップ解消のためのプロジェクト ナイキのオフィシャルサイトに次のようなページを見つけました。多様性の理解や平等についてのメッセージを発信し続けている、プロテニスプレーヤーの大坂なおみ選手の活動とコラボしたナイキのペー…

新型コロナが問いかける東京オリンピック開催の価値

ワクチン提供でオリンピック、パラリンピックの安全確保を公平性を目指す 日本時間の3月12日、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、この日行われていたIOCの総会で、東京大会と来年開催予定の北京冬季大会に参加する選手や関係者の中で希…

大坂なおみと橋本会長とジェンダーギャップ

組織委員会の女性理事の増員は事前の既定路線 3月3日、東京オリンピック、パラリンピック組織委員会は、12名の新しい女性理事の就任を発表しました。これによって、これまで5人だった女性理事の数が一気に17名に増え、理事全員に占める女性の比率が22%から4…